【 Scene.01 プロローグ 】
突如としてダイアロスの各地に現れた、巨大な物体。
イプス峡谷、レクスール・ヒルズ、アルビーズの森、ネオク高原…
一方、アルビーズの森の片隅で静かに日々を送っていたオリアクスは、マユの出現と時を同じくして、姿を消していた。
デスナイトの群れに襲われたという噂も流れているが、真偽は定かではない。
これからダイアロスに、何が起ころうとしているのだろうか…
イーノス : 私はモラ族の長老イーノス。 旅人たちよ。私の声が聞こえるか?
今、このダイアロスに、かつてない危機が迫っておるようじゃ!
各地に現れた、あの巨大な物体…
おそらく、邪悪なる魔導師イーゴの仕業に違いない。
・・・そう。
我がモラ族の出身でありながら、邪悪なマブ教へと魂を売り渡した、愚か者だ!
彼は今や、恐ろしい力を持ったネクロマンサーとして、マブ教を完全に支配しておる。
イーゴの狙いは、イルミナ城の上空に繋ぎ止められた、魔法石ノア・ストーンに違いない。
すべての魔法力の源、ノア・ストーン・・・
その力を奴が手にした時、世界は絶望に包まれるであろう。
だが、今のノア・ストーンは、女王イルミナの魔力によって、かろうじて結界に守られておる!
まだイーゴの手に渡ってはおらんのだ!
これからイーゴが、どんな手を使ってノア・ストーンを奪うつもりか・・・
それは、この私にも分からない・・・
*
イーノス : 大変じゃ! 今、各地を調べている我がモラの民から、連絡が入った!
先ほど、あのマユの中から、巨人のようなモノが出現したらしい!
…ついに、イーゴが動き始めたようじゃ。
オリアクス : へっへっへ…
さあ、誰でもいいから、かかって来いよ!
この巨人に、勝てると思うバカはな!
シシシッ!
イーノス : お前は、オリアクス!
再び、イーゴの元に戻ってしまったのか!?
オリアクス : やっぱり、イーゴ様のお力に、かなうヤツなんて居ないんだよ。
イルミナの結界を破るのが、このオリアクス様の役目だ!
イーノス : なんと愚かな…
お前はユンという少年を、身をもって救ったのではなかったのか?
オリアクス : あんなガキのことは、もう忘れたよ。
このオリアクスに逆らうヤツは、ひとり残らずブチ殺してやるぜ!
へっへっへ…
【 Scene.02 古代の記憶 】
イーノス : どうやら、あの巨人は恐ろしい強さを持っているようじゃ。
腕に自信が無いものは、うかつに近寄ってはならぬぞ!
各地で、勇敢な者たちが戦いを挑んでいるようじゃが、巨人は、次々に沸いてくる。
うーむ。
一体、どうすれば良いものか…
ザイオン : 長老イーノス…
わたしの話を聞いてくれませんか?
イーノス : お前は?
ザイオン : わたしは、古代の歴史を研究している、ザイオンという者。
あの巨人は、古代モラ族が作り出した、人型兵器なのです。
イーノス : なんと!
我らモラ族の偉大なる先祖が、生み出したものなのか…
ザイオン : わたしも詳しくは分かりませんが、イーゴは、その巨人を作り出す方法を、探し当てたようです…
イーノス : あの巨人が相手では、いかに勇敢な戦士たちでも、
とても倒しきることはできまい…
ザイオン : そうでしょう。ただ、わたしも調べを進めています。
もう少しで、対抗手段を探り出せそうなのです。
イーノス : …そうか。とにかく何か分かったら、すぐに知らせて欲しい。
ザイオン : はい。それまでは、あの巨人には近付かない方が良いでしょう。
【 Scene.03 4つの卵 】
イーノス : 旅人たちよ! よく聞いて欲しい。
今、我がモラ族の4人の賢者の声が、時を越えて私の心に届いた。
「4匹の神竜を探し出し、我らの目の前までつれて来い」 と・・・
どうやら、その神竜だけが、あのマユを消し去る力を持っているらしい。
その神竜がどこにいるのか、賢者たちは語らなかった。
・・・お願いじゃ! まずは皆で手分けして、4匹の神竜を探し出してくれ!
どうやら神竜たちは、まだ竜の姿にはなっていないようじゃ。
・・・卵の段階にあるらしい。
旅人たちよ! 何とか4つの神竜の卵を見つけ出して欲しい!
*
既に4つの卵と4人の賢者は、ダイアロスの各地にその姿を現していた。
ミーリム海岸に、賢者シス。
ビスク港に、賢者ユグ。
イルヴァーナ渓谷に、賢者ソレス。
そして、ガルム回廊に、賢者ロザロト。
古代モラの賢者から、旅人達に試練が与えられた。
“神竜の卵を我の元へ”――――。
*
イーノス : さあ、卵を、賢者の元に届けるのだ。
くれぐれも、注意するのじゃ!
【 Scene.05 焦燥の果て 】
旅人達はモラの賢者の教えに従い、卵を導いた。
すべては、「ダイアロスを救うため」。
暗黒の闇からこの愛すべきダイアロスを救うため、旅人は賢者の元へと卵を導いた。
そして…
ひとつ、またひとつ…
…卵は賢者の元へと届けられた。
卵と共に到着した旅人に、4人の賢者達は静かに語りかけた。
よくぞ我が元までたどり着いた。
だが、まだ機は熟してはおらぬ。 今しばらくの忍耐が必要だ・・・
イーノス : これで、すべての神竜の卵が、賢者の元にたどり着いたのじゃ!
・・・ついに、神竜が目覚めるときが来たのか?
むう・・・ すべての神竜の卵が、賢者の元にたどり着いたのは良いが・・・
賢者の姿は消え、卵も動かなくなってしまったようじゃ。
一体、どうしたものか・・・
*
オリアクス : 虫ケラどもが、必死の悪あがきをしているようだな…
イーノス : くっ! 出てきおったか。
まだ神竜が目覚めておらんというのに…
オリアクス : さて…
こちらも、そろそろ本気で行くとしようか。
古代の巨人、ノア・タイタンたちよ!
ダイアロスの空を、お前たちで覆い尽くすのだ!
イーノス : な、なんと!
あのマユから、数え切れぬほどの巨人が、空へ…!
オリアクス : へへへ… 1体でさえ、倒すのも大変な相手だ。
もう、お前たちに止めることはできないだろう。
加えて、精鋭のデスナイトたちも、ダイアロスの各地に向かっているところだ。
空には巨人、地上にはデスナイト…
さあ、どうする?
運良く生き残っていたら、指をくわえて見ているが良い…
ノアストーンが解放される、その時を!
イーノス : 何ということじゃ…
今は神竜の誕生を待つしか、すべは無いのか…
ザイオン : 長老イーノス。
遅くなりました…
イーノス : 戻ってきてくれたのは嬉しいが、遅すぎたようじゃ。
あのマユから、続々と巨人の群れが…
ザイオン : それは私も知っています。
ですが、望みを捨ててはいけません。
イーノス : しかし…
どうやって、あのノア・タイタンの群れを止めるというのじゃ?
ザイオン : …われらも巨人を作り出し、対抗するのです!
イーノス : な、なんじゃと?
ノア・タイタンを、作ることができるのか?!
ザイオン : あなたにお会いしたあと、わたしは研究を続けていた古代の文献を、
ついに解読する事ができました。
イーノス : 長老である、このイーノスも知らぬ文献を、どこで手に入れたのじゃ?
ザイオン : …それは、訳あって申し上げることはできません。
ですが、どうか私の話を信じていただきたいのです。
かつて古代モラ族は、ノアストーンの力によって高度な魔法文明を築き、
この地上を完全に支配していました。
しかし、その古代モラ族でさえ完全にノアストーンを制御できずに、
滅亡したと言われています…
滅亡の引き金となる大戦の際に使用されたのが、あのノア・タイタンだったのです。
イーノス : それほどの力に手を出すのは、あまりに危険…
大人しく神竜の目覚めを待つべきではないか?
ザイオン : その神竜を待つ間にも、敵のノア・タイタンは、どんどん数を増しているのです!
ためらっている余裕はありません。
今のうちに、1体でも多くの巨人を倒すのです!
イーノス : うむ…
他に手立てはない以上、お前を信じるしかないな…
ザイオン : 建造に必要な素材は、あとでお伝えします。
集めた素材を、わたしが造った装置で融合させるのです。
ただし… 解読は完全ではないため、建造から20分後に、ノア・タイタンは自壊してしまうでしょう…
イーノス : なんと…
つまり、生きては戻れぬという事か?
ザイオン : そうです。
命を捨てる覚悟をした上で、乗り込まねばならないのです。
これから何が起こるのか、わたしにも分かりません。
今はただ… 行動するのみです。
*
ようやくモラの賢者の元に辿り着いた、神竜の卵。
しかし神竜は生まれぬまま、賢者たちは姿を消した。
一方、各地のマユからは、古代の巨人が続々と生まれ始める。
それに対抗すべく、謎の人物ザイオンより伝えられる、巨人の建造方法。
神竜は、本当に目覚めるのか。
そして、これから始まる戦いの行方は?
今、ダイアロスの空は、巨人の群れに埋め尽くされようとしていた…
− 第2夜に続く −